本格的な寒波到来で昨年12月から石油ファンヒーターの売れ行きが急上昇している。GfKジャパンによると、昨年11月の石油ファンヒーターの実績(金額ベース)は前年同月比86.8%だったが12月は同146.2%と急伸。直近の12月28日〜1月3日の1週間でも前年同週比154.4%と猛烈な勢いで伸びている。
石油ファンヒーター大手のダイニチ工業(新潟市)では、昨年12月第3週の出荷台数は前年同週比約230%、第4週の出荷台数は前年同週比約340%となった。
優れた速暖性と高い暖房能力が石油ファンヒーターの大きな特徴。ここ数年、エアコン暖房に押され気味の石油ファンヒーターだったが、寒波に強い暖房機の持ち味を改めて見せつけた。
世界的な大寒波の予測も
今年の冬はラニーニャ現象の影響で、日本だけでなく、世界的にも大寒波に見舞われ大雪になる可能性があるといわれている。日本では1月に、北日本から西日本にかけて日本海側を中心に大雪や大荒れとなり、平地でも大雪となるおそれが懸念されている。
気象庁の3カ月予報によると、1月の気温は北日本で低い確率60%、東・西日本で低い確率50%。2月の気温は、北日本で平年並または高い確率ともに40%と発表している。
なお、ダイニチ工業では、寒波に伴う石油ファンヒーターの需要増に即応できる生産・出荷体制を整備。1月以降も受注に合わせて生産計画を変更するなど、柔軟な体制で機器の生産・出荷を行うという。