業界トレンド

シャープが10日、次世代液晶テレビを発売

シャープが12月10日、発売したのは世界的なディスプレイ技術のトレンドであるminiLEDを搭載したテレビ「AQUOS XLED」だ。

AQUOS XLEDの特徴について、シャープはこう説明する。「明るいリビングで見やすいのが色鮮やかな液晶テレビ、シアター用途に適した明暗の表現力を持つのが有機ELテレビ。新モデルのXLEDはその両方の良さを兼ね備えた大画面テレビである」。

約8,000個のminiLEDを採用

従来モデルの72倍となるmini LEDを採用

国内テレビ市場は現在、2010年の需要ピーク期からの買い替え期を迎えている。シャープは買い替えニーズをつかむ重要なポイントとして、「大画面」というサイズアップ、「高画質・高密度」というグレードアップ、そして「多彩なテレビの使い方」ができるスマート化の3つを挙げている。

3つの中でグレードアップの基軸と位置付けているのが次世代ディスプレイといわれるminiLEDである。バックライト光源に小型LEDを採用したもので、従来の液晶に使われるLEDと比べ約1/10サイズの発光素子を採用した。

新モデルは、従来モデルの72倍となる約8,000個のminiLEDを使用、光源の数を増やすことで、ピーク輝度は約3倍までに高めた。まばゆいばかりの輝きから締まった黒の表現まで、ダイナミックな映像を表現する。

さらに、miniLEDを微小なエリアごとに点灯制御することで、テレビの輝度とコントラストを飛躍的に向上させた(アクティブminiLED駆動技術)。AQUOS XLEDであれば、「従来の液晶では実現できない漆黒、そして有機ELでは実現できない月の輝きを表現する」とシャープではその優位性をアピールする。

国内ブランドではシャープが初採用

液晶と有機EL両方のメリットを兼ね備えたminiLED搭載のテレビ

miniLEDディスプレイは既にTCLやLGなど海外ブランドのテレビ製品の一部では採用されているが、国内ブランドのテレビではシャープが初採用となる。

さらに、高画質・高密度というグレードアップ策として、バックライトの光波長を変換する「量子ドットリッチカラー」技術を新たに採用した。

ナノサイズの半導体粒子である量子ドットによる光波長変換技術を採用することで、バックライトの光から純度の高い光の3原色(青・緑・赤)を生み出し、広色域と色鮮やかな映像表現を実現する。

早くも東京都内の大手家電量販店では、「12月10日段階で既に予約がいっぱい。年内には納品できないお客も出てきそうだ」と嬉しい悲鳴を上げている。

次世代液晶テレビのラインアップは以下の通り。

■8K液晶テレビ「DX1」ライン

8T-C85DX1(85V型、実勢価格<税込>176万円前後)

8T-C75DX1(75V型、同82.5万円前後)

8T-C65DX1(65V型、同65万円前後)

■4K液晶テレビ「DP1ライン」

4T-C65DP1(65V型、同44万円前後)

4T-C55DP1(55V型、2月26日発売、市場想定価格〈税込〉36.3万円前後)

最上位の85V型の実勢価格は176万円前後と3ケタ台だが、「画質、音質、デザインとも最高峰に応じた価格を提案した」と高価格設定にもかからわず、販売に自信をのぞかせている。

八巻 潔

八巻 潔

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株式会社ブレインズ代表
1979年「電波新聞社」に入社。
1996年家電・IT関連の出版社「リック」に入社。
「技術営業」「IT&家電ビジネス」編集長を経てリック専務取締役。
「ヤマダ電機に負けない 弱者の戦い方」(2008年)「家電製品アドバイザー試験 早期完全マスター」(2001年~2013年)などを出版。
2014年家電業界のジャーナリスト&コンサルタントとして独立。
2016年株式会社ブレインズ設立。

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地域店ドットコム運営元

株式会社ブレインズ

ブレインズのコンサル

地域店 コンサルティング

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