家電業界を驚かせる
3月4日の「ソニーとホンダがEV(電気自動車)で提携」というニュースは、家電業界を驚かせた。
EVが注目を浴びたのはバッテリー性能の飛躍的な改善、世界的な脱炭素化の動きなども大きな背景になっている。基幹部品であるモーターや電池の外部調達が比較的容易で、ガソリン車と比べると参入のハードルが低い。中台勢の新興EVメーカーの他、米のインテルやアップルなども参入の手を挙げている。
そうした中でのソニーの動き。ソニーの強みは同社が得意とするセンサー技術の活用だ。AI処理機能を搭載したインテリジェントビジョンセンサーを始め、AR(拡張現実)/MR(複合現実)にも活用できる距離画像センサー、自動運転の実現に欠かせない車載向けイメージセンサーなど、時代の最先端を行く製品が揃っている。
2021年4月から高速・大容量の通信規格「5G」の走行試験を開始させ、ソニーの最先端技術を投入しているという。
車で人気コンテンツを楽しむ
ソニーの大きなセールスポイントである映画、音楽、ゲームなど人気コンテンツの提供も大きなポイントだ。グループ内のリソースを有効に活用し、最先端のハード、ソフトをともに提供できるのがソニーの強みである。
例えば、立体的な音場を実現するシートスピーカーや「360 Reality Audio」に対応したストリーミングサービス。好みのアーティストの生演奏に囲まれているような没入感のある音楽を体験できる。
ゲーム環境の提供はソニーの独壇場となる。走行中でも同乗者が自宅のPlayStationにリモート接続してゲームを体験できる他、クラウド経由でストリーミングすることで多彩なゲームを楽しめる。地域店がEVを販売する日が来るかもしれない。