東京商工リサーチは5月13日、4月の全国倒産状況を発表した。倒産件数は743件で、8カ月連続で前年同月を上回った。増加率は15.1%増と5カ月連続の10%超で、リーマンショック時の4カ月連続(08年12月~09年3月)を抜いた。このうちコロナ関連倒産は、飲食、観光、サービスの業界を中心に71件(3月12件、2月1件)で月ごとに増えている。
外出自粛で広がるテレワーク
コロナ倒産が増えて日本経済は縮小し疲弊している。経済界や連合などからの、営業再開の申し入れに対して政府は、5月26日に外出自粛解除を東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の一都3県と北海道で実施。全国的に解除となった。
そうした中で定着しているのが「テレワーク」だ。自宅の通信環境が整っていない、子供も休校なので家では落ち着かないというビジネスパーソンは、通信環境が整備されているビジネスホテルや喫茶店などを利用している。
カラオケ店がテレワークスポットに
第一興商が運営するカラオケ店ビッグエコーは、カラオケルームをテレワークの場として利用できる「オフィスボックス」サービスをスタートした。現在、全国約500店で稼働している。主要駅に近く予約不要。1時間600円とコスパに優れている点も魅力だ。
不動産会社のコスモスイニシアは、リコーのプロジェクターシステムを用いて、自宅での仕事用スペースを確保できるリノベーションマンションを売り出した。家族と程よい距離でテレワークを推進できる。
あるIT企業では、全社員80名でテレワークを行ったところ、出社しなくても業務がスムーズにはかどったことから、賃貸オフィスを他社とシェアすることで経費削減を考えている。現在シェア企業を募集中だ。異業種とのオフィスシェアで、新たなビジネスの創出も期待しているという。
コロナの影響で倒産や失業者が増える中、ピンチをチャンスに活かそうと積極策に乗り出す企業も出てきている。コロナ禍は企業経営者の力量が問われている。