業界トレンド

都市型量販は惨敗でも地域店は健闘

新型コロナウイルスの感染拡大は都市型量販の弱点を浮き彫りにした。ビックカメラの3月の売り上げは前年同月比75.8%、4月は同62.1%と大失速。都心部への外出自粛やビジネスパーソンの需要の落ち込み、インバウンド需要の激減が大きく響いた。

その象徴的な店舗が2月にオープンした「ビックカメラ 日本橋三越」(売り場面積約1,200㎡)だ。老舗百貨店の客層に合わせ品揃えはプレミアム機種に絞り、富裕層とインバウンドを主力ターゲットに設定したが、コロナショックで目論見は脆くも崩れた。

都市型店舗の不振を尻目に、善戦しているのが家電量販の郊外型店舗だ。ケーズホールディングスの3月売り上げは前年同月比93.3%、4月は98.5%と上向いている。コジマも3月は同89.0%、4月は104.5%と前年実績を超えている。

コスモスが業界水準を大幅に上回る

ヤマダ電機の豊富な在庫が奏功

両社とも地方や郊外型店舗が圧倒的に多く、外出自粛による巣ごもりやテレワーク需要を取り込んだ。

コジマではSCに入居している最大14店舗が休業し、主要店舗のほとんどで営業時間を短縮したのにもかかわらず4月は売り上げを伸ばした。この時期、主要量販で売り上げを伸ばしたのはコジマのみだ。

一方、地域店も健闘している。コロナショック以降の3月、4月のコスモス・ベリーズの卸売実績(電気店ルート)は、それぞれ前年同月比3.2%増、10.5%増と業界水準を大幅に上回った

3月、4月といえばメーカーの商品供給が滞った時期。ヤマダ電機のバイイングパワーによる仕入れのアドバンテージが大きかったようだ。

八巻 潔

八巻 潔

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株式会社ブレインズ代表
1979年「電波新聞社」に入社。
1996年家電・IT関連の出版社「リック」に入社。
「技術営業」「IT&家電ビジネス」編集長を経てリック専務取締役。
「ヤマダ電機に負けない 弱者の戦い方」(2008年)「家電製品アドバイザー試験 早期完全マスター」(2001年~2013年)などを出版。
2014年家電業界のジャーナリスト&コンサルタントとして独立。
2016年株式会社ブレインズ設立。

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地域店ドットコム運営元

株式会社ブレインズ

ブレインズのコンサル

地域店 コンサルティング

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