石川県電器商業組合は3月24日、講師にブレインズの八巻潔氏を招いて、「EC時代の新たな店づくり」(八巻ゼミ3回目)をテーマに研修セミナーを開催した。
セミナーではECに負けないリアルな店づくりとして、「レンタル」「リユース」「サブスクリブション」「無人店舗」「イベント」「共創」「売らない店」などを切り口とした最新の事例を紹介。従来の店づくりの概念に囚われず、「顧客が楽しめる」「顧客本位」の新しい店づくりを提案した。
「リユース」事業の紹介では、組合ネットワークを活用し、下取り品や型落ち品、売れ残りの処分品などを販売する組合の共同事業を提案。リユース品の共同店舗やネット販売、組合店のイベントなどでの販売の可能性について述べた。
「共創」というテーマでは、優れた家電製品を開発しているものの販売網が脆弱な地域の小規模・零細メーカーとタッグを組み、石川県電器商業組合発の家電のヒット商品を創ろうと提案した。
お客とお店が一体となった「場づくり」
ゲストスピーカーとして、ライフスタイルコンサルタントの堀江育子氏が「EC時代でもお客を呼び込めるリアル店舗」について講演。名古屋地区の商店街や先進店の取り組みを具体的な事例を交えて分かりやすく解説した。
「これからの店づくりで大切なのは、お客様と販売店が一体となった”場づくりの提案”。お客様と販売店が共に楽しさを創る”共創”という考え方」(堀江氏)。
なお、八巻ゼミの1回目(2021年11月25日)のテーマは「家電業界の構造変化〜地域店の再定義〜」、2回目(2022年1月27日)は「地域店の情報発信と地域貢献」。ゲストスピ―カーに兵庫県明石市の地域店「フジイ」の藤井安津子氏を招いて、電気店の奥様が実践するアナログツールとデジタルツールの効果的な使い方について述べてもらった。