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いまだ紙ベース、遅れる病院の電子化

母が10月末に右大腿骨頭骨折で入院した。深夜にトイレから出て扉を閉めようと振り返ったときに、ゴキッときたらしい。痛みが酷くなったので、救急車を呼んで病院へ急いだ。

レントゲンの結果、右大腿骨頭骨折と判明。3日後、金属製の人工骨を入れる手術をした。91歳という高齢から骨が弱くなっていたため、振り向く動作で骨折したようだ。

手術は無事成功。今は杖をついて歩けるようになって、毎日リハビリに励んでいる。新型コロナの感染防止対策で、病院には着替えなどを持って行っても会えないのが残念だ。   

5割未達の電子カルテの普及率

母の入院で感じたことは、病院事務の電子化による情報共有が整備されていないことだ。手術に必要な書類を4枚書かされた。医師、看護師、麻酔課、薬剤師に渡すためだという。全く同じ内容ならコピーして渡すなり、スキャンなりしてパソコンに入力すればイントラネット上で各課でも情報を共有できる。

カルテのベースとなる患者情報を紙で同じ内容を何枚も書かせる煩雑さ。電子化が遅れているのではと尋ねると、「決まりなので」という。厚労省の「医療分野の情報化の推進について」によると、2017年時点で一般病院全体の「電子カルテシステム」の普及率は約47%。カルテでさえ50%に達していない状況だ。

菅首相肝入りのDX(デジタルトランスフォーメーション)はおろか、病院の電子化による情報共有化さえお粗末な現状。一刻も早く電子化への速やかな移行が望まれる。

卯月 祥

卯月 祥

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IT専門誌「月刊通信ジャーナル」編集長、IT専門誌「モバイルインターネット」(リックテレコム)広告部長、「季刊ママ@com」(フレーベル館)編集長、「男の隠れ家」(あいであ・らいふ)広告部長などを経てフリーランスのITライターとして独立。
IT業界を中心に、旅行、音楽、料理など幅広い業界の取材もこなす。

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