ペット市場が好調だ。単身世代や小世帯化の増加などで生活の中でのペットの存在が大きくなっている。ペットフード協会では、犬と猫の22年の国内飼育頭数は1,589万匹と推計しており、これは同年の15歳未満の子供の1,465万人より多い。
21年度のペット関連市場は前年度比101.8%の1兆7,187億円と推計(矢野経済研究所)。最近増えているのが犬や猫のリフォームだ。地域店でも自宅を改装しペットリフォームのショールームとして活用している例もある。
ペットといえば犬と猫が代表的な動物。ペットフード協会によると、22年の推計飼育頭数は犬(705万3,000頭)、猫(883万7,000頭)、両者合わせると1,589万頭となった。
ダイソンはペット用掃除機を改良
ペット家電のラインアップを拡充しているのがダイソンだ。これまでも毛づくろいができる家電や、毛をからみづらくした掃除機を発売している。
同社が日本を含む世界主要11カ国、約1万2,300人を対象に行った「グローバルダスト調査2021」によると、飼い主の約7割はハウスダストがペットに付着している可能性に気づいていなかったことが分かった。しかも、寝具掃除を実践しているのは全体の約3割だった。
そこで、開発したのが掃除機のヘッドにからむ犬や猫などの毛を自動でほどける新ヘッド付属のスティック型掃除機「Dyson V12 Detect Slim Complete」と、ペット用のグルーミングツール「ペットグルーミングキット」である。
自動で毛絡みを解消する新しいクリーナーヘッドを搭載し、らせん状に配置されたブラシにからまる毛をほどき、自動で毛絡みを解消する。
強力な吸引力を組み合わせることで、毛絡みを解消しながらカーペットやフローリング、畳など、さまざまな床タイプを掃除する。
一方のペットグルーミングツールは、ペットをブラッシングしながら抜け毛を素早く吸い込み、ペットの毛に付着するフケやダニの死骸なども手軽に除去する。
LGは空気清浄機にペットモード
LGエレクトロニクス・ジャパンは独自のペットモードを搭載した空気清浄機「LG PuriCare Pet(エルジー・プリケア・ペット)」を発売した。
ペットモードとはペットの抜け毛と臭い対策に特化し、通常の自動運転モードと比較すると空気中に舞うペットの抜け毛を約30倍集塵できるという。
さらにペット臭を99%、ペット由来のアレル物質を99.9%除去し、空気中の浮遊菌や花粉、室内の生ごみ臭なども低減する。
ペットの抜け毛やほこりを除去するプレフィルター、ニオイをキャッチする光触媒(脱臭)フィルターなども採用。プレフィルターは簡単に取り外すことができ、溜まった抜け毛やほこりも水洗いでクリーンにできる。
ペットの不快音を抑制した掃除機
ペットが嫌がる「音」に着目したのはシャープだ。8月24日に発売した「RACTIVE Air POWER EC-SR9」では、掃除機が発する音を最大限に抑えた。
人の可聴域が2万Hzまでなのに対して、犬や猫の可聴域は5万Hz~8万Hzまでと広く、人よりも犬や猫の方が音に敏感。犬や猫は突然の大きな音に対して、心拍数の増加や血圧が高くなるといった生理学的反応を示し、強いストレスを感じる。
EC-SR9はモーターを覆う遮音カバーと防振材でモーター音を低減。同時にファンネル(円錐)形状の遮音カバーで排気を集約し、格子状の出口で整流することで排気音も低減する「ファンネルサイレンサー」を進化させた。
モーターカバーの外周には遮音性の良い防振材を新たに配置し、防振材の硬度も見直すことで、実感音(人が実際に聞こえる音の大きさ)を21年モデル(SR7)比で約37%カット。運転時に感じる不快で耳障りな音(ピーク音)を大幅に抑制した。
掃除機の音が苦手な人、隣人への迷惑を心配する人も少なくない。そうした人はもちろん、ペットの不快音にも配慮した今どきの掃除機である。