パナソニックに続いて三菱が11月1日、液晶テレビ事業を大幅に縮小することを明らかにした。国内のテレビ市場は韓国や中国勢との競争が激しく、国内大手は守勢に立たされている。
三菱電機はハードディスクとブルーレイレコーダーの両方を内蔵した「録画テレビ」に力を入れていたが、「市場環境やユーザーニーズの急激な変化に伴い、製品競争力の維持が困難な状況になった」としてテレビ事業の見直しを決めた。
国内大手家電メーカーのテレビ事業を振り返ると、日立は2012年にテレビの国内生産を終え、2018年には日立ブランドの国内販売を中止。現在、日立の系列店はソニーブランドの商品を販売している。
パナソニックも昨年度で国内生産を停止している。東芝(東芝映像ソリューション)は2017年11月に中国のハイセンスグループに売却され、今年3月には社名を「TVS REGZA」に変更した。
三菱ストアは24年3月まで継続
三菱の場合、家電量販店などへの出荷は2021年9月に終了しており、「三菱電機ストア」向けの自社ブランドの出荷は2024年3月まで継続する。同社の液晶テレビのシェアは、数%程度で市場への影響は微々たるものだが、今年に入ってパナソニックがテレビ事業の見直しを明らかにしており、国内テレビ市場は大きな転換期を迎えたようだ。
テレビの国内出荷実績(JEITA)の推移をみると、地デジバブルが崩壊した2012年以降の出荷実績は、年間400~500万台という低空飛行が続いている。バブル前のテレビは「1,000万台市場」といわれていたが、2020年の出荷実績は542万台と、その半分程度の規模に縮小している。