コロナ禍でさまざまな業種・業態向けの「補助金」がクローズアップされている。手厚く充実されているのが中小事業者向けの補助金だ。中でも注目されているのが、「小規模事業者持続化補助金」である。
家電ボランタリーチェーンを展開するコスモス・ベリーズ主催の「Zoomライブ対談」(3月30日)では、補助金活用に意欲的なクラスでんき(静岡県浜松市)社長の前田英毅氏が登場。地域店にとって上手な補助金活用法について、持論を披露した。。
ここ数年、スマートフォンが急速に普及しています。お店の認知度を高め、自店のホームページやブログなどにアクセスしてもらえばもっと売り上げがアップする。でも、そのための費用はどう捻出すればいいのか。そこで、「小規模事業者持続化補助金」に取り組もうと考えました。
店の看板の設置と手作りのチラシ5万部を作成し、そこでは特に自店のホームページをアピールしました。そうすると、1日100件程度のアクセスだったものが300件、月9,000〜1万件に達したのです。目論見通り、店の認知度アップにつながって売り上げも伸びました。当店にとって補助金とは、自店のビジネスの仕組みを変えるツールです。
補助金でWin-Winの関係
補助金は我々だけでなく、お客様に活用してもらうのもいいですね。知り合いのラーメン屋さんに、トイレなどの店舗改修(和式から洋式)を小規模事業者持続化補助金の活用で、という提案に乗っていただきました。お客さんに喜ばれる、お店にとっても仕事を獲得できるので、補助金を活用すればWin-Winの関係が構築できるというわけです。
小規模事業者持続化補助金の対象事業は、地域店の仕事を助けてくります。例えば、販促用チラシの作成や送付、ポスティング、ホームページの改修、ウェブサイトの広告、ネット販売システムの構築なども対象になっており我々にとって使い手のある補助金なんですね。
ただ、補助金では独力でやって一度失敗したことがあるんです。二度目は地元の浜松商工会議所に行って補助金について相談しました。そこで、いろいろなアドバイスをいただきました。
勉強になったのは審査に通りやすい申請書の書き方です。なぜ、電器店が補助金を必要としているのか、そのストーリーが重要なんですね。商工会議所では無料相談が受けられます。自分でなんでもやろうとせず、味方をつくることが大切ですね。
小規模事業者持続化補助金の採択率がアップする「加点」という要素も重要です。加点とは、補助金の採択を有利に進めることができる手続きで、申請書の記載の内容に関係なく審査加点が得られるというものです。申請が通りやすくなるポイントですね。