最近、テレビや新聞でもよく耳にする「IoT」(アイ・オー・ティー)という言葉。「Internet of Things」の略で、「モノのインターネット」という意味です。
家電に限らず、あらゆるモノをネットワークでつなげることで、それぞれのデータがやりとりされ、新たな価値を創造するサービスや技術、仕組みを指します。
分かりにくいので、具体的な例を挙げてみましょう。洗濯乾燥機が家庭内の無線LANにつながっています。さらにAさんが持っているスマートフォンが家の中で無線LANにつながっています。
これによりスマホと洗濯機が無線LANを通じてつながります。洗濯機がインターネットを通じて、今日は「PM2.5が多く飛散する」という情報を得ます。
Aさんが朝食を終え洗濯しようとすると、洗濯機が話しかけます。「今日はPM2.5の飛散が多いようです。洗濯物を外干せずに乾燥までしませんか?」と問いかけ、お薦めの洗濯コースを表示します。
洗濯をスタートして、朝食の後片付け、掃除などをしていると、スマホが通知します。「洗濯が完了しました」。Aさんは乾燥したての洗濯ものをすぐに取り出し、しわにならないようにすぐハンガーにかけることができました」。
これはすでに実現されているIoT家電のサービスです。
“つながる”ことで価値が高まる
さて、先の例を「IoT=モノのインターネット」という観点から読み解いていきましょう。まず、家庭内の無線LAN(Wi-Fi)で洗濯乾燥機とスマートフォンが“つながって”います。
そして無線LANを通じてスマホはインターネットにつながっています。スマートフォンは、アプリを通じて洗濯乾燥機のメーカーサービスなどから各地の天気などの情報を得ます。これにより、洗濯機が今日の天気に合わせた洗濯コースなどを提案します。
重要なことは、従来のような単体で動く家電では得られないリアルタイムの情報を、ネットワークを通じて得られるということです。また、情報は一方通行ではありません。洗濯が完了したという情報が、今度は洗濯機からスマートフォンに送られ、スマホ画面で通知します。
このようにつながったモノの間をデータが流れることによって、機器の利便性や機能性が向上し、価値を高める――これがIoTなのです。