IoT家電

連載「IoT家電」集中講座④ IoTを支える技術(1)

クラウドコンピューティング

生活を便利に、豊かにするIoT家電。それを支える技術はネットワークだけではありません。クラウドコンピューティングやAI、5Gなど、よくニュースなどで耳にする技術が大きく関わっています。

IoTで大切なことは、モノがつながって情報が流れることです。その情報をどう役立てるか。そのカギとなるのが「クラウドコンピューティング」です。単に「クラウド」とも呼びます。

従来、パソコンは必要なソフトウェアを入手しハードにインストールして使っていました。しかし、インストールしたソフトしか使えなかったり、バージョンアップ作業が発生したりと管理に手間がかかりました。また、高機能なソフトは、処理性能が高い高性能パソコンでなければ使えない場合もありました。

クラウドでは、ソフトをインストールすることなく、インターネットを通してデータをやり取りして必要なサービスを利用します。例えるなら、インターネットの向こうにある、いろいろなソフトが入った高性能なパソコンを、必要に応じて使用させてもらうようなイメージです。

国や地域を越えて、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの異種端末が接続できる、言ってみれば情報資源のシェアリングを可能にするシステムなのです。

家電購入後も機能を追加

クラウドでつながっている洗濯機

IoTでも、家電から得た情報を処理するためにクラウドコンピューティングが力を発揮します。例えば、洗剤や柔軟剤に合わせた洗濯コースを選べる洗濯機の場合、従来であれば新製品の洗剤が出ても対応できませんでした。

しかし、クラウドなら新しい洗剤のデータがいつでも追加できます。つまり、家電の購入後も機能が追加される仕組みになっているのです。

声で家電を操作できる「スマートスピーカー」もクラウドコンピューティングを利用しています。声を認識し文字に変換し、必要な操作を実行する――このプロセスをクラウドで処理しているのです。

もし、スマートスピーカー単体でこのプロセスを実現しようとすれば、家電に高性能パソコンを複数台搭載してもスペックが不足するでしょう。しかも、音声認識の性能向上なども見込めません。

クラウドは高度な処理能力を必要とするサービスを、家電やスマートフォンなどの機器に手軽に実装できる、まさに夢の技術と言えます。

川添 聡志

川添 聡志

投稿者の記事一覧

2004年家電・IT関連の出版社「リック」に入社。
「IT&家電ビジネス」編集長。
家電量販企業の店長研修やメーカー研修、機関投資家向けセミナーなどの講師としても活動。
2013年大手家電量販企業に入社。
営業企画部、経営企画部、プロジェクトチームのリーダーも兼務。
2018年家電コンサルティング&ライターとして独立。

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