日本電機工業会(JEMA)の統計では、今年4月〜8月の累計出荷台数は前年比276.0%となった。コロナ禍で異常値ともいえる実績をあげているのが加湿器である。
だが、この時期は通年で考えると加湿器のオフシーズン。本格的なシーズンは湿度が下がり空気が乾燥する11月以降のこれからだ。
湿度が下がると、口や鼻などの粘膜が乾燥し、防御機能が低下する。さらに、乾燥した環境を好むウィルスなどの動きが活発化するため、風邪やインフルエンザなどにかかりやすくなる。
お部屋に合わせた加湿量
そこで、加湿器登場となるわけだ。加湿器大手のダイニチ工業(新潟市)では、加湿器の賢い選び方と使い方を提案している。
同社の「購入した加湿器の加湿量と使用場所の広さに関する調査」(2019年4月1日~2020年3月31日、n=3,481)によると、お部屋の広さに対して加湿量不足の加湿器を使っている購入者の割合は13.5%もいるいることが分かった。
加湿器は以下に示したように、お部屋の広さや用途に応じた加湿器選びがポイントになる。
1.寝室などの個室向きの加湿器(プレハブ洋室8〜14畳程度)
・加湿能力の目安は 300mL/h~ 500mL/h
・放出される水の粒が小さいほうが、布団がしめっぽくなりにくい
・睡眠の邪魔にならないように静音性の高いものがおすすめ
2.リビング向きの加湿器(プレハブ洋室 19 ~ 25 畳程度)
・加湿能力の目安は 700mL/h~ 900mL/h
・(28 畳以上のワイドリビングは、1000mL/h以上がおすすめ)
・ 赤ちゃんがいる家庭では、吹出口が熱くならない加湿器のほうが安全
トレイを洗わずにすむタイプも
3.お手入れのしやすさで選ぶ
加湿器はお手入れが非常に大切。お手入れをしないと、「吹き出す風がにおう」、「加湿器に水アカが固まる」などとといったトラブルが起こる。
お手入れのチェックポイントは抗菌加工の有無。水の経路に抗菌加工されている加湿器はぬめりがつきにくいから。手入れも本体ごと流し台に持っていって洗うものもあれば、タンクやトレイだけのパーツを洗うタイプもある。洗わなくてもよい工夫された加湿器も登場した。
これは、ダイニチ工業のLXシリーズで、トレイを洗わないですむ「カンタン取替えカバー」を搭載している。