テレビの国内出荷実績の推移をみると、地デジバブルが崩壊した2012年以降の出荷実績は、年間400~500万台という低空飛行が続いている。バブル前のテレビは「1,000万台市場」といわれていたが、現状ではその半分程度の規模に縮小している。
そうした中で、世界的なディスプレイ技術のトレンドが大きく変化しつつある。
「ディスプレイ方式別テレビ用パネル市場構成比予測(世界)」(出所:OMDIA TV Display&OEM lntelligence Service2021)によると、近年有機ELテレビが市場を伸ばしているが、新技術のminiLEDを搭載したテレビも本格的に普及しつつあることが分かる。
今年は有機ELを上回り、2025年に構成比が9.2%と2ケタに迫ると予測されている。最新のminiLEDテレビが有機ELにかわりテレビのハイエンドモデルの基軸になる可能性が高まっているのだ。
シャープが昨年12月10日に発売したテレビは「AQUOS XLED」は、このminiLEDした搭載したテレビである。
ソニーのテレビ事業は販売機種を高額機種に絞り込む戦略を徹底し、2014年度以降黒字を続けている。シャープはソニー製品よりも高いスペックの製品を市場に投入。自社最高レベルのフラッグシップモデルに位置付けている。
パナソニックはどう出るのだろうか。不振のテレビ事業を生産委託や高価格帯に比重を移すことで立て直す考えだが、眼前のソニー、シャープよりも魅力ある商品を投入できるのかどうかが問われている。