2つの異変ポイント
ダイニチ工業は8月19日、2021年4月から7月の加湿器累計出荷金額が前年同期比約130%となり過去最高となったと発表した。4月から7月の累計出荷金額としては、2003年の加湿器発売以来、過去最高の実績である。
なぜ、通常シーズンオフである「春夏」に需要が増加したのか。同社では、その理由として2つ挙げる。
一つは加湿器が「冬の季節家電」から「通年使用する家電」へ移りつつあるという点。
調査機関のマイボイスコムによると、加湿器を使う季節として「年中使う」と答えたユーザーが32%にのぼった(2021年3月、1404人)。ダイニチ工業の調査(2021年6月、927人)でも、6月時点の使用状況で「まだ、使ってる人」ユーザーの割合が10.7%となった。
新型コロナの感染症対策の他、エアコンの乾燥対策として春夏にも加湿器が使われているようだ。
2つ目は、本格的な乾燥シーズン前に早めに購入するという動き。昨年の秋冬は新型コロナの感染対策として加湿器の需要が急増し、店頭では品薄状態が続いたため、今年は早めの購入が進んでいるようだ。
こうした中で、ダイニチ工業は8月2日、加湿器の新モデル「RXTシリーズ」を発売した。大容量、ハイエンドクラスに搭載していた「カンタン取替えトレイカバー」をスタンダードクラスにも採用した点が大きなポイントだ。
カンタン取替えトレイカバーとは、使い捨ての新しいトレイカバー。これをトレイの上にセットすれば、トレイ本体の水垢や汚れの付着を防ぎ、水洗いの手間も省くことができる。
さらに、8月2日には外出先からも加湿器を操作できるスマートリモコン対応機能を新搭載した「LXシリーズ」を発売した。
乾燥した部屋をしっかり加湿するには時間がかかる。離れたところから加湿器を操作できれば、帰宅時には最適な湿度環境を得られる。スマート化が進んでいる最新のエアコンを念頭に入れた新機能である。