昨年10月の消費増税以降、低迷していた家電需要が2月に入って急浮上した。大手調査会社GfKジャパンによると、昨年10月~12月の家電需要(金額ベース)は前年同期比85.9%、今年1月も前年同月比97.8%と水面化に沈んでいたが2月に入って水面上に現れた。
2月の伸び率は1月よりも5.4ポイント増加して103.9%となった。コロナウイルス感染拡大で、外出せずに家の中で過ごす消費者の「イエナカ(家中)消費」が本格化したのも大きな要因だ。
絶好調なのが「ドラム式洗濯乾燥機」だ。昨年10月〜12月は前年同期比103.1%、今年1月は115.8%、2月は139.1%とうなぎ上りに伸びている(金額ベース)。コロナウイルスの感染拡大に反応し、身体だけでなく、衣類の清潔性にも一段とこだわってる消費者の姿が浮かぶ。
家の中で過ごす時間が長期化するにつれ、室内の空質環境を改善しようという動きも顕著だ。空気清浄機は1月の71.8%から2月は159.8%と大幅にアップした(金額ベース)。
ふとん乾燥機も1月の82.%から2月の128.1%へと大幅に伸びた(金額ベース)。コロナウイルス感染拡大をきっかけに、「寝具も清潔に保ちたい」というニーズが高まっているようだ。
イエナカ消費でウチショク(内食)増加
一方、イエナカ消費で、「中食」「内食」が増えて、調理家電の売り上げにも好影響を与えている。
調理家電では、電子レンジが1月の89.7%から2月は102.9%に、ホットプレート・汎用鍋も91.0%から111.1%に伸びている(金額ベース)。中食や内食の食材を保存する冷蔵庫も1月の95.8%から2月には104.0%と上昇した。
コロナショックが、消費者の生活スタイルを大きく変えた。ネットショッピングや家で消費する生活関連商品のニーズが一段と高まっている。
2月は大手ネットスーパーの売り上げは前年比2割増となった。今回の家電需要の急浮上は、アマゾンジャパンはもちろん、ヨドバシカメラ、ビックカメラなどネット通販に強い家電量販店がけん引となっていると考えられる。
ちなみに、アマゾンジャパンは現在、クレジットカード決済の場合、商品にもよるが5%の消費者還元を行っている。