新型コロナの感染拡大で外出自粛や在宅勤務などが進み、2020年1月以降、「巣ごもり」に伴う内食のコメ需要は増えている。
農林水産省がまとめた「米国販売事業者のコメ販売数量の動向」によれば、昨年は5月を除いて前年実績を上回っており、今年2021年3月も19年3月に比べ4.2%増えた。内食の米需要が堅調に推移している背景には、全国各地でおいしい「ブランド米」が増えてきたこともある。
ブランド米に最適な炊き方
パナソニックは6月1日、満を持してIHジャー炊飯器の新モデルSR-VSX1シリーズを発売した。実勢価格はSR-VSX101(5.5合)11万円前後、SR-VSX181(1升)11.3万円前後である。
注目を集めているのが、全国63種類の「ブランド米」の「銘柄炊き分け」機能だ。新潟や宮城など全国の米どころが推奨した「炊飯プログラム」で、火力、圧力、高温スチームが最適な組み合わせに制御して炊き上げる。
ポイントは独自のセンシング技術と全国の米どころが推奨した炊飯プログラムだ。例えば、魚沼産コシヒカリ。雑味が少なく甘みが際立ったみずみずしさが特徴だ。その味を生かすため、圧力を使わずお米自身の水分を活かす炊き方を行う。前炊き時間は「長め」、前炊き温度は「低め」、圧力「なし」、スチーム「なし」、炊飯時間「60分」としている。
低い温度の吸水により雑味を出させず、すっきりとした持ち味を活かす。スチーム・圧力はなしでやわらかさを際立たせると、みずみずしいごはんに炊き上げられるという。
銘柄米がもつおいしさを引き出すために、パナソニックはコメの特徴を研究する炊飯科学のプロの集団「ライスレディ」を編成した。全国のお米の開発者とタッグを組み、銘柄米に合った炊き方を追求している。
その炊き上がりは全国24道県の米づくりのプロがおいしいと認めており、銘柄米炊き分け機能は63銘柄に対応している。
しかし、同じ銘柄でも、その年の気象状況によって味わいは変化する。パナソニックは毎日の食事メニューの更新や1週間の献立表示、食材からレシピ検索などを行う「キッチンポケットアプリ」を利用して課題解決を図る。
新モデルはキッチンポケットアプリと連携し、その年のお米の出来栄えに応じて炊き方を更新したり、銘柄を追加する。炊飯ジャー購入後もコメの美味しさをアップデートできるというわけだ。