大手家電メーカーの「冷蔵庫」2021年モデルが相次いで発表された。新モデルのポイントは時短や利便性を高める「IoT」機能を充実している点だ。
庫内の食材のチェックも
パナソニックの新モデルは、2月25日に発売される定格内容積650Lの「NR-F657WPX」と600L「NR-F607WPX」。スマートフォンのGPS位置情報と連携して、省エネ運転する2つのモードを業界で初めて採用した。
一つは自宅から離れると自動で節電運転を開始する「お留守番モード」。もう一つは、まとめ買いに備えて効率的な運転を提案する「お買い物準備モード」である。
お買い物準備モードは3週間分のドア開閉と収納量の変化を記憶し、曜日ごと、1時間ごとに分析/予測を行なう。予測結果と7種のセンサーで検知する当日の使用状況から、適切な運転に自動で切り替えて節電する。
さらに、食材の重さから残量情報をアプリで管理できる「ストックマネージャー」を業界で初めて搭載。卵や牛乳、ヨーグルト、ビールなど管理したい食材を「キッチンポケット」(アプリ)に登録し、重量検知プレートに載せると残量が外出先でチェックできる。
冷蔵庫の中にある食材が分からず、買い物で困った経験は誰しもあるだろう。食品ロスや買い忘れを防止できる便利な機能だ。
冷蔵庫とおしゃべりできる
一方、シャープの新モデルは、4月8日に発売される定格内容積457Lの「SJ-MF46H」と「SJ-MW46H」。人感センサーと音声対話連携のAIoT機能を搭載した。冷蔵庫正面に人感センサーを備え、冷蔵庫と呼びかけると対話モードになり、お気に入りの店舗の特売情報や特売食品を使った献立を冷蔵庫が教えてくれる。
スマートフォンの「COCORO HOME」アプリを使うと、外出先から冷蔵庫に伝言を送ったり、ドアの開閉を確認でき、子供や離れて暮らす家族の見守りにも活用できるという。
調理家電の「ヘルシオ」や「ヘルシオ ホットクック」との連携にも対応し、冷蔵庫で選んだ献立を送信して自動調理できるほか、洗面化粧室の洗濯機と連携すると、洗濯機の終了を冷蔵庫が知らせてくれる機能も加えた。
ただ、スマートホンに不慣れなシニア層など、使い方が分からず機能を十分活用できない課題がある。IoT機能を活用してもらうには、顧客に密着した地域店の出番となる。