ユーザーが使うだけでなく、IoTでは故障や誤った使用方法などの情報もインターネットを通じてメーカーに蓄積されます。
故障前にメンテナンスの必要性をユーザーに通知する、メーカーの商品開発に情報を役立てるなど、家電を急速に進化させます。すでに、エアコンでは、修理スタッフがタブレット端末を用いて室外機のデータを把握できるようなモデルも販売されています。
また、複数の家電がネットワークでつながっていれば同じ時間帯に使っている家電なども分かります。つまりユーザーの生活スタイルに基づいた、家電のより賢い使い方や、複数の家電を組み合わせた便利な使い方を提案することも可能になっているのです。
メーカーはユーザーに使われていない機能は改善したり省いたり、逆に使用頻度の高い機能をブラッシュアップさせるなど、よりユーザーライクな開発を行っています。
IoTで献立に悩まずに調理
シャープが2020年6月に発売したウォーターオーブン「ヘルシオ」の新モデルでは、本体正面に業界初という4.3型の「AIパネル」を搭載しました。独自のクラウドサービスによって、各家庭の食事スタイルに合わせた最適なメニューを分かりやすく表示するためです。
クラウドサービスによって、本体では「いつものメニュー」と「おすすめメニュー」の2つを表示できます。特に、おすすめメニューでは、各家庭の調理履歴を参考に、季節や時間帯に応じたメニューを提案します。
例えば、魚料理をよく作る家庭では、旬の鮮魚情報から「ぶりの塩焼き&小松菜のサッと煮」、鶏肉料理をよく作る家庭では「鶏肉のBBQソースグリル焼き&焼き野菜」など、見るからに美味しそうなメニューがAIパネルに表示されます。
パネルを通じて簡単に調理できるのがポイントです。しかも、AIの学習効果によってユーザーが使えば使うほど料理の奥行きが広がる「サプライズ家電」。「毎日の献立に悩む」主婦からの強い支持を得ています。