IoT家電

【第1回】IoT家電の基本のき

IoT家電が普及していく中で、どうしたらIoT家電を上手に使いこなせるかが重要なテーマになっています。IoT家電の「基本のキ」の講座では、機器の設定や接続の仕方、不具合や故障時などのトラブル対策を「Q&A形式」で具体的に教えます。

Q1 光回線に変更したのに通信速度は変わってない

インターネット接続は光回線だったのですが、ガラケーをスマートフォンに買い替えたとき、光回線に変更しました。当然、従来よりも早い速度になっているはずなのですが、あまり変わっていないようです。どうしてなのでしょうか。その対処策も教えてください。

A 最近の光回線は通信速度が非常に速くなってますが、無線LANや有線LANでは思ったよりも早く感じないケースがあります。

通信速度の速い回線に変更しても、もともと宅内ネットワーク機器の環境が変わっていないので、こうしたことが起こります。通信速度を十分に発揮できる「ネットワーク環境」が整っていないことが原因だと考えられます。

無線LANや有線LAN機器で活用する際はちょっとした工夫が必要です。例えば、有線LANに接続されているPCやゲーム機器の通信速度を上げる場合、これまで使用していたLANケーブルのカテゴリを6eや7に変更します。

モデム機器にルータ機能があれば、それに直接LANケーブルを差して、通信速度を計測してみて下さい。

また、最新の通信回線に変更したときは、モデム機器本体が機種交換されるはずです。LANケーブルも最新のタイプに変更することで、「光回線→モデム機器→無線LAN機器」とつながり、PCやゲーム機器、スマホなどでの通信速度は上がるはずです。

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Q2 パワードを忘れてしまった!

無線LANを接続するとき、これまで無線LAN機器に装備されている「ボタン」を押せば接続・設定ができました。でも、スマホにはボタンが付いていません。無線LAN機器にパスワードを「入力」し、接続・設定しようと思いますが、パスワードを忘れた場合はどうすればいいでしょう。

A 無線LAN機器の大半は「SSID(無線LAN機器本体番号)」や「無線LANパスワード(PIN・暗号キー)」が記載されています。無線LAN機器によってはカードが収納されている場合もありますが、それでも分からない場合はPC/MACなどを利用します。

有線LAN内蔵のPC/MACがあれば大丈夫です。無線LAN機器のポート(LAN挿入口)に「有線LAN」を挿し、PC/MACと無線LAN機器を有線LAN接続することで、無線LAN機器の内部にログインできます。

ブラウザは「IE」「サファリ」など。無線LAN機器を接続することで、無線LANパスワードを確認できます。

接続設定は「AOSS」や「WPS」ボタン、表示が違う場合でも互換性がありますから、それらのボタンで接続することができます。

PC/MAでパスワードをコピーして印刷するか、スマホやタブレットなどで撮影して、その画像を保存しておきましょう。

Q3 動画再生でブロックノイズの発生や一時停止の場合はどうしますか

ネットフィリックスやアップルTV、アマゾンプライム・ビデオなどの動画配信サービスは、テレビやゲーム機器・スティック型の端末機などで楽しめます。しかし、動画を見るとブロックノイズが発生したり、一時停止してしまうことがあります。この場合、どうすればよいのでしょうか。

A 現状では日本国内で使用できる無線LANの帯域は「5GHz」、「2.4GHz」です。テレビやゲーム機器なども同じ帯域です。

動画視聴では、ネットフィリックスやアップルTVなどを視聴するに十分な通信速度が必要です。

テレビ視聴では「5GHz」、「2.4GHz」のいずれも問題はありません。視聴で問題になるのは、どの「規格」で接続しているかです。

 その規格には、

  • IEEE802.11b
  • IEEE802.11g
  • IEEE802.11a
  • IEEE802.11n
  • IEEE802.11ac

 ⋯―などがあります。

 問題なくオンデマンド視聴したいのであれば、

  • IEEE802.11n
  • IEEE802.11ac

⋯―の規格でなければなりません。

ポイントはテレビ上の設定ではなく、無線LANルータ側の設定です。具体的に言えば、無線LANルータ機器内での「この機器はテレビで動画視聴します」という設定です。

無線LANルータには上記の機能が搭載されている機種があります。ホームネットワーク上で優先順位を付けることで、他の機器がホームネットワークに接続した場合でも、無線LANルータ側で安定した通信速度を確保できます。

最近の「4K動画視聴」では、「IEEE802.11ac」の規格で優先順位を上げると、快適な視聴環境になります。

IEEE802.11acは日本国内で最も速い通信速度を持っている規格です。「IEEE802.11ac」が装備されているテレビやゲーム機器などはこの規格で接続設定をして下さい。

Q4 接続が不安定な場合のホームネットワーク機器の対処方法を教えてください

A ホームネットワークで一番困るのが、これまで接続できていた機器に接続できなくなるケースです。機器の電源は入っているし、無線LAN経由でネットワークにもつなかっている。けれど、スマホやPC/MAから操作できない。そうしたケースは結構あります。

ここで、ポイントなるのは操作できないネットワーク機器は「移動する機器なのか」、あるいは「固定の機器なのか」を判別することです。

例えば、外付けHDDやプリンターは自宅に固定して使用するので「固定機器」で、エアコンや冷蔵庫、洗濯機なども同様です。ホームネットワーク上で固定機器とすることによって不具合が低減されます。

ホームネットワーク上につながるということは、ホームネットワーク上で起動している機器へのアクセスができるようになります。自宅に設置しているネットワーク機器に関しては、確実に「固定」にしなければならない機器があります。具体的には、

  • エアコン(メーカー専用アダプター接続 各部屋)
  • 照明器具(各部屋)
  • ホームランドリー
  • HEMS
  • BDレコーダー
  • ネットワークカメラ
  • プリンター

⋯―などがあります。

ホームネットワーク上で「固定IP」することによって、ホームネット上では常に接続している状態となります。

固定するネットワーク機器」はホームネットワーク上に存在し、スマホやタブレットなどからのアクセスが可能です。「固定IP」、「自動IP」の設定で、大幅にホームネットワークの不具合が改善されます。

渡辺 圭

渡辺 圭

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IoT家電エンジニア、プラザイサム代表

1993年4月リコー入社。
1998年4月電器店「プラザイサム」入社。
デジタル家電に精通し、メーカーの研修センター講師も務める。「CompTIA A+」「CompTIA Network」「CompTIA hard」「CompTIA security」、「日商ビジネスコンピューティング データ活用2級・3級」、「パソコン整備士3級」「.com master basic」「.com master advance」、「Microsoft OS・Office trainer MCT各種」などの資格を取得。

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株式会社ブレインズ

ブレインズのコンサル

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