電子情報技術産業協会(JEITA)が4月に発表した2020年度の薄型テレビの出荷台数は18.1%増の572万台。このうち、50型以上の大型テレビは38.2%増の201万台と大幅に増加した。
2012年3月のエコポイント終了から10年が経過している。テレビの買い替え年数は総世帯平均9.9年(内閣消費動向調査、2021年3月)となっており、昨年から薄型テレビの買い替え需要が本格化している。
一方、この10年でテレビの購入サイズが大きく変化している。シャープによると、2010年度の購入サイズは約3割が40型以上を選択していたが、2020年度では約3割が50型以上を選択している。
こうした中で、シャープは薄型テレビの新たな陣容を明らかにした。大型テレビへのシフトを一層強め50型から70型まで豊富なラインアップを揃えた。主力の4K液晶と有機EL、それぞれタイプ別の主力機種のポイントを見てみよう。
●4K液晶テレビ
高齢者に優しい機能を強化
8Kテレビの開発で培った高精細化処理技術を応用した新たな4K画像処理エンジン「Medalist S2」を採用した。解像度や映像フォーマットを解析して高精細処理を行なう「4K超解像アップコンバート」により、被写体が持つ質感や輪郭などをより緻密に再現。新4K衛星放送はもちろん、地上デジタル放送やネット動画などもリアリティあふれる映像で楽しめる。
コロナ禍で高齢者の「テレビ視聴」が増えている。新モデルでは、高齢者に使いやすくするために、テレビに話しかけることで電源のオン/オフや選局などができる「ハンズフリー音声操作」に対応。リモコンの置き忘れや選局に戸惑っている高齢者を優しくサポートする。
シャープ独自のエンタメ・生活情報アプリ「COCORO VISION」も搭載。ユーザーがよく観る番組や時間帯を学習し、好きなジャンルの番組やお気に入りのタレントの出演番組などを案内してくれる。
付属のリモコンは一新され、上部に7つの動画サービスアプリ(Netflix、Amazon Prime Video、U-NEXT、Hulu、ABEMA、Paravi、YouTube)を直接起動できるダイレクトボタンを搭載。テレビの電源がオフの状態でも、ボタンを押すだけでサービスアプリが起動する。
主力機種の発売日と店頭予想価格は次の通り。
・「4T-C70DN1」(5月22日、31.9万円前後)
・「4T-C65DN1」(5月29日、27.5万円前後)
・「4T-C60DN1」(5月22日、24.2万円前後)
●4K有機ELテレビ
有機ELもAQUOSブランドで
シャープの有機ELテレビ第一号は、2020年5月に発売した4Kの「CQ1シリーズ」の2機種。当初はAQUOSブランドを付けなかったが、新モデルからAQUOSブランドで展開する。
シャープが独自に設計・チューニングした高輝度「S-Brightパネル」を採用。輝度性能に優れた発光素材の採用に加え、有機ELの発光に伴う発熱を効率的に抑える構造とした。
有機ELパネルの性能を最大限に引き出す新開発の制御技術「Sparking Drive」も採用。画面全体が暗く一部だけが明るい場面では、漆黒からきらめきまでの明暗を豊かに、そして深みのある映像を表現する。画面全体が明るい場面では、白飛びを抑えた忠実な色表現でリアリティを高めている。
ハンズフリー音声操作に対応した他、リモコンを一新し「COCORO VISION」にも対応する。文字が読みやすい4K高精細表示、番組や出演者の情報を画像付きで分かりやすく表示する。
主力機種の発売日と店頭予想価格は次の通り。
・「4T-C65DS1」(5月22日、49.5万円前後)
・「4T-C55DS1」(5月22日、34.1万円前後)