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「超コスパほったらかし家電」を提案販売するわけ

スロークッカー家電――。文字通り「ゆっくり調理」する家電である。高くても高機能な商品を選ぶならファーストクック(速く)できるタイプもある。とはいえユーザーの志向や生活のスタイルによって、調理時間のみが購入の決定条件ではないし、安価だからといって、料理の出来が悪いのは困る。安全性に問題があるのは論外だ。

洗浄もらくらく

しかし、安価でしかも超コスパの「ほったらかし家電」がある。ツインバードのほったらかし鍋「EP-D819W」だ。「これは売れる」と思う。なんせネット価格では5,000円を切っている。「安くて、便利」、そして火を使わなので「安心安全」。一人暮らしや若いカップル、老夫婦にもぜひ薦めたい。

昭和の炊飯器のような簡素な外観。「内鍋」は丈夫な陶器のようだ。この内鍋がヒーターでじんわり温められて、寝る前や出掛けるとき、掃除や散歩をしているときに、数時間でシチューやカレー、みそ汁、チャーシューなどが出来上がる。

冷蔵庫の中の肉や野菜など適当な食材を探してみる。それらを粗く切って鍋に投入。塩コショウ、しょうゆやみそ、コンソメ、ケチャップ、安いワインなどの調味料があれば、実に美味い料理が出来上がる。

シチューやカレー、チャーシューなども

量は目分量で調整できる。料理はワインによし、ビールによし、もちろんご飯によし。ほったらかし鍋なので、気軽にいろんな料理にチャレンジできる。甘辛濃薄が過ぎ、少々失敗したところでそれも一興。

コンセントを入れたら、火力は「強」(早めに)「弱」(じっくり)の二つしかない。こんなので大丈夫?と思うが、使いこなしていくとアナログ感覚で実に便利。「ほったらかし」でさまざまな美味い料理ができてしまうのは何ともありがたい。実に「ローテク」なのだが、便利なことこの上ない。

ほったらかし家電の横綱、ホットクック

ほったらかし家電といえば、その横綱はシャープのヘルシオホットクックだろう。IoT家電としてインターネットに繋がって、スマホでコントロールが可能だ。老若男女、個人や家族を問わず、これ1台あれば「おかず」や「飲みのあて」は十分。少人数のホームパーティー(自宅での飲み会)にも、便利この上ない。2019年9月に累計20万台を達成したヒット商品。昨年11月には1〜2人分の小さめな1リットルタイプも登場した。

1リットルタイプも登場

ただ、目先の利便性や、ちょっとした快適感を満たすだけでは、高機能で高価な家電製品に手をのばさないのが現代人。だが、外食・中食(出来合いの総菜)はほどほどに、基本的には家の中で、産地や安全性を考えた素材で、うまいものをリーズナブルにいただきたいという人も増えている。

私が愛用しているのは、先ほど述べた「ローテク」鍋。年齢が60を超えたシングルライフ。都度外食するのは財布に厳しいし、店選びにも悩む。これなら何より「自分の味」を調整できる。「間違えようがなく操作がカンタン」「とにかく安い」「超便利」と三拍子揃っているのが、私向きなのである。

さて、地域店たるもの、こういうローテク低価格の商品も、たとえこの1品ではさして利益が出なくとも、お客様に提案することが肝要だ。

お客様の暮らしかたや家電の使いこなし程度などを日頃から観察しておいて、時に「これでいいと思いますよ」とおすすめできる力。「高いものを売らんかな」ではその根を見透かされてしまう。低価格品も提案できてこそ、信頼の礎が積みあがるというものだろう。

杉本 哲也

杉本 哲也

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医学書、語学書出版社にてダイレクトマーケティング責任者を経て、博報堂にてクリエイティブディレクター、新規事業プロデューサー。
現在、新規事業開発&既存事業復活プロジェクトのコンサルタント。

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