秋から冬に向かい気温が下がり空気が乾燥してくると、新型コロナウイルス感染第2、第3の波と、インフルエンザとのツインデミックが大きな懸念材料となる。
こうした中で、家電メーカーのシリウス(東京都台東区、亀井隆平社長)が10月2日、新しいタイプの空気清浄機「ウイルスウォッシャー」を発売する。水道水に塩を入れて「電解次亜塩素酸水」を生成する家庭用のウイルスウォッシャー「SVW-AQA2000」(実売想定価格8万9,800円)だ。
ベンチマークは「ジアイーノ」
同社が空気清浄機の開発にあたって、徹底的にベンチマークしたのはパナソニックの「ジアイーノ」だ。2013年発売の次亜塩素酸の力で高い除菌・脱臭効果を発揮する除菌脱臭機である。
独自の「次亜塩素酸」の生成技術により、菌やウイルスを99%以上除菌・抑制し、連続的に発生するニオイも強力に洗浄脱臭する。従来の空気清浄機では難しかった菌やウイルス、ニオイ対策で困っているユーザーに的を絞った商品だ。
ただ、ジアイーノは除菌・脱臭に特化した機器で、加湿機能や空清機能は搭載されていない。空気中に浮遊するハウスダストや花粉などを集じんフィルターでキャッチする空気清浄機ではないので注意が必要だ。
一方の「ウイルスウォッシャー」はジアイーノに対抗すべく、除菌・脱臭機能に加えて空清機能を搭載した。業界最高クラスの集塵効率(99.97%)の高性能HEPAフィルターで、PM2.5をはじめハウスダスト、たばこの煙、悪臭などを集塵、脱臭する。
もう一点、ジアイーノとは大きな違いがある。電解次亜塩素酸水を生成するのは、水道水に市販の「食塩」を入れるだけという手軽さだ。ジアイーノでは専用の塩タブレットが必要で、価格は1瓶3,600円(300粒)というコストがかかる。
ウイルスウォッシャーのランニングコストは、1回あたり0.8g~2.0gの市販の食塩を使用。1回あたりせいぜい数十銭程度という超「低コスト」も大きなポイントになるだろう。